人間の可能性を語る30人のトークイベント
地球人大演説会 「EARTHLING2011」 ナショナルジオグラフィック「70億人の地球」レポート・2
カテゴリー: イベント, 生物, 社会・環境
▲当日の様子 7/31 Talk2 大塚茂夫(ナショナル ジオグラフィック日本版 編集長) Ustreamにリンクしています。
人間の可能性を語る30人のトークイベント 地球人大演説会
「EARTHLING2011」
ナショナルジオグラフィック「70億人の地球」レポート・2
7月30日、31日(日)にThink the Earthプロジェクト+慶応義塾大学大学院(SDM・KMD)共催によるイベントEARTHLING2011が開催されました。
「アースリング」とは「地球人」という意味です。「宇宙人」に対する概念として「地球に住む者たち」=地球人という意識をもってこれからの地球、環境、世界全体の幸せについて考えていくイベントです。
このイベントでは、2日間にわたって、地球的視野をもちながら各界で活躍する30人が登壇し、プレゼンテーションを行いました。
「ナショナルジオグラフィック日本版」からは大塚茂夫編集長が参加、ナショナルジオグラフィックで「70億人の地球」について紹介しました。
この模様をレポートいたします。
人類が地球環境を変えた時代を指す地質年代 “Anthropocene”とは
大塚編集長(以下O)「ナショナルジオグラフィック日本版3月号では地球環境を変える人類の時代というテーマで特集を組みました。私たちが生きていく、その人間活動が地球環境にどういうふうな影響をもたらすのか、ということがテーマです」
その際に見つけたというキーワードがAnthropocene(アントロポセン)という言葉。地質学会の人たちが議論をしている概念なのだそうです。ジュラ紀や中生代などの地質年代というものがありますが、今は新世代第4期「完新世」と呼ばれています。これは1万500年前氷河期が終わって、それ以降の時代をさすものですが、実はすでに「完新世」は終わり、新世代に入っているのではないか、というのが「人新世」という概念です。
なぜ「人新世」というかと言うと、人間が暮らしている「人間活動」が地球を作り変えているのではないかという考えからによるものです。
ここで、人間活動の影響をあらわすグラフが写し出されました。
これまでの人間活動の影響を見ていくと急激に1900年1950年以降増えているそう。
いま、この人間の活動がどういう風に痕跡として残るのかを地質学者たちが研究しているところですが、ナショジオでもその特集を組んでいます。
人間活動がどのように地球に影響を及ぼすのか~ナショジオで組まれた特集
■ナショナルジオグラフィック日本版2011年4月号「酸性化する海」より
人間が大気中に排出した二酸化炭素が、海水に溶けて起きる「酸性化」。世界中の海域で急激に進み、海の生き物の生存を脅かしている…
地球温暖化、大気の中にどんどんどんどんCO2が排出されるというのはよく知られていますが、そのうちの3割くらいが海水の中に溶け込んでいるというのです。

■ナショナルジオグラフィック日本版2011年5月号「沈む国土に生きる」より
人口が増える一方で、低地が水没するバングラデシュ。世界がやがて直面する問題にいま向き合っている住民たちは、この難局をどう乗り切ろうとしているのか…

O「バングラデシュは人口が1億6000万人いるんです。日本より多いです。人口密度が1平方キロメートルあたり、1139人。日本が334人ですからその、どれだけ皆が密集して生きているか。これはダッパの川の渡し船のふ頭です。ハリケーンなどがくるとですね、どんどんどんどん海水面が上がって、もう沈みかけているというような状況です。気候変動による海面上昇ですとかサイクロンの大型化、それによって河川がどんどん氾濫して人々が住む場所を追い立てられているという現実があります。この写真何をしているところかわかりますか?これはモスクを引っ越しをしているんです。川の中州にこういったモスクが建っていて、河川が氾濫が度々おこるのですぐ移動できるように、パーツごとに移動できるようにしているんですね。彼らの気候変動、環境の変化に対するひとつの知恵ですね。これは民家に水が入ってきている。これは、この数日後に引っ越して、水がないところに引っ越すということを毎回引っ越すという現実があります」
■ナショナルジオグラフィック日本版2011年7月号「食の未来を守る」より
伝統作物が人類を救う?――今後、増え続ける人口を支えていくには、作物の多様性を守ることも必要だ…

O「特集冒頭の写真は、ノルウェー領のスバールバルというところにある、スバールバル世界種子貯蔵庫というところです。左側のコンクリートのところが入口、右側にある永久凍土層の下に大きな貯蔵庫が作られていて、ここは作物、家畜の精子や卵子を貯蔵する施設になっています。種子貯蔵庫は世界に1400か所あるといわれています。その目的はこれから先、気候変動や新たな病気が起きたときに新しい作物、家畜を作らないといけない。だた、それを作るには大きな問題があります。それは、世界中で栽培されている作物や、飼育されてている家畜がどんどん多様性を失っているということです。効率的なもの、農薬や肥料を使ってどんどん作れるものに品種が限られてきていて、人類が1万年かけてつくってきたいろいろな作物が失われつつあるのです。それを守ろうと言うのが種子貯蔵庫の取り組みです」
ペルーでは、様々な品種が作られているそうですが、それはひとつの品種をひとつの場所でつくると、日照りや気象の変化で絶滅してしまうから、とのこと。ちなみに本誌の69ページではペルーとボリビアの様々な種類のジャガイモの写真を掲載しています。ジャガイモと思えないある種奇怪な姿のものも。必見です。

